2016年7月25日月曜日

富士通 m02 DUNが使えるまで。(インターナビ)

ガラケーもまだまだ元気なこのご時世、どうしてもスマホだと使いにくいものがありました。それはカーナビに搭載されているBluetooth DUNを使ったインターネット接続です。

しばらくパナやNECの携帯(ガラケー)でカーナビをペアリングして使っていましたが、ガラケーのパケット通信の料金体系が変わり、DOCOMOからかなりの額のパケット料の請求が来るようになりました。

そこで格安スマホでと思うわけですが、最近のスマホ、IPHONEなどもそうだけどDUNをサポートしている機種が少ない。

そんななか、富士通からお手頃スマホ m02が登場し(ヨドバシならおよそ3万円前後)、しかもBluetooth DUN、しかもテザリングが使えるということで買ってみることに。

うちのIPhone 5sはIIJMIOで使用していましたが、試験用にNTTCOMのOCNモバイルのプリペイドでまず試験することに。(プリペイドの安い奴、ヨドバシで3000円ちょっとした)

カーナビのテストの前にPCでまずは普通にペアリングを試すことに。LENOVO ThinkpadのDUN モデムダイヤルアップで試すがこれが全くつながらない。
WIFIと同時に使用してはいけないことはネットで伝えきいていたが、それでもだめ。

このm02という機種、取り説というものがほぼ皆無、しかもDUNなんてオタクの使うものという領域なのでますます説明がない。

電話でもなかなか聞けないのでヨドバシに故障扱いで出すことに。
1度目戻ってきたときはSIMトレイの不具合ということで。もどって来た。でも以前も普通にDUN以外の通信はできていたし、そんな問題じゃないだろ、とおもってDUN試すとやっぱりつながらない。

試しにPANでテザリングをやってみると、(WINDOWSならAPモードという接続)これは問題ない。少なくともBluetoothでテザリングできることは確認できた。ところがDUNでお得意の番号*99***1#といったダイヤル番号に、プロバイダが指定したアカウント名、パスワード入れてもこれがなかなかつながらない。
ネットワークに登録中という画面で先に進まず、最後にタイムアウトしてしまう。

もう一度、修理に出すことに。今度はPANは使えるがDUNテザリングできないという症状で出してみました。
3週間ほどして返ってきた修理票を見るとDUN接続できているとのこと。ただし注意書きがあって、COMポートに対してAPNを明示的に指定しないと接続できないとのこと。
これってどういうこと?といろいろネットで調べる。(便利な時代になりました。)

するとマイネオ、なりさんページの掲示板にAPNの指定とカーナビ接続の手順でCOMポートの仕込み方法があるじゃないですか。

<リンクはこちら>
https://king.mineo.jp/my/0ac4665fb54e7696/reports/3347


これは実は厄介で、昔モデム(DSLではなくアナログ電話)の時代にNiftyやらインターネット接続でいじったことある人ならわかるとおもうけど、ATコマンドというのをつかって、APNを携帯DUNのプロファイルに入れてやらないといけない。(ATコマンドって何?という人はネットで検索してね)

ATコマンドは要するにモデムに対して命令を出すコマンド体系で、COMポートにTeratermなどでアクセスし、呪文のように打ち込んで設定を入れる。

自分の場合、最終的にIIJMIOのSIMで試験したので以下のような手順。

注)なお、お持ちのパソコンにそもそもBluetoothのインターフェイスが搭載されていないよ!という方も多いとおいます。その場合、市販品でUSB接続のBluetoothアダプタが入手できます。
たとえばこれとかこれとか(リンク参照)。
お値段も2000円切ってますので、仕込み用に一つ用意したほうがよいかも知れません、というか、ないと以下の設定ができません。
 

1)まずBluetoorhでお手持ちのWindowsPCにペアリングする。(詳細は割愛)

2)Teraterm などのソフトを持っていなければ、フリーでダウンロードできるのでそれをダウンロードしPCにインストール。

3)古いPCでモデムポートがあるとCOMポート1はPCのCOMポートなので、Bluetoothモデムがペアリング後登録できたら、どこのCOMポートにアサインされたかまず確認する。

確認の例(WINDOWS7の場合)
スタート>デバイスとプリンタ>その中からペアリングした携帯アイコンを探し、右クリック。モデムタブを見るとCOM7とか出るのでその番号を控える。






4)テラタームの場合、COMポート指定しスマホにアクセス。

5)接続すると画面にはなにも表示はされないですが、TERATERMなら画面に上部にCOM7に接続している旨の表示が出ます。(例 COM7:9600Buadなど)

6)ホントにつながってるかどうか確認するには半角でATと何もない画面にうってみます。OKと返ってくればCOMポートの通信は成立しています。(もしATと打ってなにも画面に表示されなければATE1と打ってEnterを押すと、以降、打ち込んだコマンドが画面に表示されるようになります。)


8)ためしに AT+CGDCONT? (エンター) と打ってみると、現状のプロファイルが表示されます。m02は工場出荷時はプロファイルは1番のひとつしかありませんから、+CGDCONT=1,"IP","","0.0.0.0",0,0 のように表示されます。

=1の部分は*99***1#のように最後の1#と打った時に使用する1番目のプロファイル番号、上記の例では"IP",のあとのダブルクォーテーションの間に何もない””のでここに自分が使っているプロバイダのAPN名を入れてやります。今度は以下の通り。(以下はIIJMIOの場合)
9)AT+CGDCONT=1,"IP","iijmio.jp" (エンター)
  コマンド打ったあと、OKと帰ってくれば設定は入っています。


  確認するには再び、        
  AT+CGDCONT? (エンター) と打つと、以下のように返答帰ってきます。

  AT+CGDCONT? (エンター)
  +CGDCONT: 1,"IP","iijmio.jp","0.0.0.0",0,0

ちなみに最初のダブルクオーテーションの”IP”はPDPタイプのことです。プロバイダから指定があり、PPPまたはIPのどちらかを入れますが、PDPタイプは指定がなければIPのままにします。Docomoのmoperaなどで指定がある場合はPPPに変更します。


10)今度は二つ目のカンマの後に”iijmio.jp”が入っているのが確認できます。

ここまでくればあと一息です。


11)あとは普通にPCのBluetooth画面でM02を右クリック、ダイヤルアップを選び、新規ダイヤルアップ接続を作成し、Internetに接続できるかためします。(以下参照)

プロバイダが指定するAPNユーザーID、パスワード、設定したダイヤル番号を入れます。
(ダイヤルする前にTERATERMは終了しておいてね。COMポート使用中だとつながりません。あと、PCのLANケーブル、WIFI接続ならWIFIの接続も切ってからダイヤルしましょう。あと、M02はWIFIはOFFに、Bluetoothテザリングは有効にしておきましょう。)




12) ダイヤルすると接続中とでて、ユーザー名、パスワードが認証されるとネットワークにコンピュータを登録中と出て、最後に構成された設定を割り当て..とでれば成功です。


13)ブラウザなどでアクセスしてみます。Internetに接続できていればM02設定は完了です。


これでDUN接続が確定すれば、あとはカーナビで同じようにダイヤル番号、ユーザー名、パスワードを入れて設定すればつながるようになります。


<HONDA Internaviの設定情報>

カーナビで新しいスマホのペアリング設定を行います。(ペアリング手順は割愛します。)

ペアリングができたら、接続先変更の設定を行う必要があります。
以下の設定は新しいスマホでペアリングを行った後に実施します。メニュー設定の順番は以下の通りです。


メニュー > 機能設定 > 通信機能設定 > 通信設定 > マニュアル通信設定 > 接続先変更 > 新規接続先



1)メニュー> 機能設定を押します。




2)通信機能設定を押します。



3)通信設定を押します。

4)マニュアル通信設定を押します。



5) 次の画面で現在の設定情報が表示されます。元に戻す必要がある場合は内容を控えるか携帯で写真を撮りましょう。必要なければ接続先変更ボタンを押します。





7) 新規接続先を押します。


8)次の画面で新しいプロファイルを作成します。(DOCOMOのFOMA標準を使用するのであれば工場出荷時に設定されているDOCOMOのパケット通信でよいと思おいますが、多くのかたは格安SIMを設定されると思いますので、マニュアルで記載しました。)



新しい接続プロファイルを作成します。


      a) 接続先名称:自分でわかりやすい名前(例OCNとか)
     

   b) 電話番号:*99***1# (例プロファイル1番を使用する場合)
  • スマホM02に設定したプロファイルと同じ番号例1番なら*99***1#5番なら*99***5#というようにダイヤルする番号をいれます
      c) ユーザーID;プロバイダが指定したAPNユーザー名を入れます。
      d) パスワード:プロバイダが指定したAPNパスワードを入れます。
      e) DNS:自動のままで基本OKです。
      f) 最後に設定終了を押すのを忘れずに!

設定を確認するには一度現在地画面に戻り、再度、上記と同じ手順でメニューに進みます。

メニュー > 機能設定 > 通信機能設定 > 通信設定 > マニュアル通信設定

先ほど設定した内容が反映されているか確認します。 

設定したら一度エンジンスイッチを切ります、
スマホm02のWIFIがオフになっていることを再度確認し、bluetooth が有効になっていること、bluetoothテザリングが有効になっていることを確認します。

再度車のキーをOnし、カーナビが起動するのを待ちます。

起動後、m02とペアリングされるのを待ちます。
ペアリング済(動作中)のアイコンがカーナビ画面に表示されたら、適当に行き先設定を実施し、通信が開始するのを待ちます。
数秒待って、通信が確立し、データが取得されるかどうか確認します。

もし、うまくいかない場合は、設定をやり直します。

PCでDUNがうまくいっていればカーナビの設定に問題がある可能性がありますので、設定に間違いがないか確認します。



以上、お試しあれ。


<以下、後日談>
ここ2-3年、いわゆるSIMフリー端末がかなり出回るようになりましたが、ガラケーで以前は普通に出来ていたことができない背景には、以下の要因があるかと思います。

昔は、カーナビをBluetoothでDocomoの携帯とかで使用するのであれば設定もすべて初期設定が工場出荷時で設定されており、DocomoのMoperaの契約を申し込めば、普通に通信できるようになっていました。
ガラケーでATコマンド、またはかつて存在したFOMA PC設定ソフト等を使用するまでもなく、何も考えずにそのまま通信できていたわけですね。
どころが、端末が携帯通信会社から購入というトレンドが、携帯メーカーから買う(まさにapple storeのIphoneがこのモデル)というトレンドになって、通信キャリア固有の設定を出荷時に書き込むという仕掛けができなくなったため、上記のようなAPN設定を個別にという流れになったものと思われます。(というか、購入したユーザーがどこの通信事業者のSIMを使うかそもそもSIMフリー端末は自由なので、大手携帯通信事業者固有の設定を工場出荷時にいれることがそもそもできないし、入れる意味もない)。
これが原因でいままでと同じ使い方をしようとすると、ここはひとつハードルが上がったということでしょうか。

SIMフリー端末はどこの通信事業者のSIMでも対応できる代わり、どの顧客がどこのSIMを使用するかは使用するユーザーの自由なので、設定も自由(特定キャリアを使用する前提の設定ひれ混まない)ということだろうと思います。

ちなみに、手持ちのガラケー(DocomoNEC製)にOCNのSIMを入れて、上記のAPN設定を同じようにCOMポートに設定し、カーナビで試験したこともあるのですが、カーナビでデータ通信はできるのですが、いかんせん、FOMA端末はドコモのi-modeを使用する前提の設計になっており、当然OCNのSIMでは携帯端末単体でI-modeは使えませんし、おサイフケータイもアプリのダウンロードすらできないということになるので、あまりの使いにくさにガラケーに格安SIMは特定用途(たとえばあまったガラケーをカーナビ通信専用端末にするとか)の目的ならいざ知らず、一般用途には向かないと判断し、m02の購入に至りました。

上記で説明にありますがCOMポートにAPN名が空白のまま出荷されているのはこういった背景だろうと思います。(もし携帯キャリア、たとえばDocomoなどからの出荷ならMoperaの設定が初期設定で入っていたでしょうね。)

本当は手持ちのIPHONEでやりたいところでしたが、IphoneはDUNプロトコルがサポートされていない。(PANはOK)
DUNはもうレガシーテクノロジーということで、どんどん採用されなくなりますね。
自分のように古いカーナビを何とか使おうという人間にはつらい時代になりました。

しかし、あえて富士通に一ついうことがあるとすれば、富士通はTENというカーナビも造っているのだからカーナビの親和性を謳ってもっと使用方法や設定情報を流布すればいいのにとおもいますね。
まぁ、市場には数限りない端末のカーナビ、携帯、スマホの組み合わせがあるのでそれらすべてをサポートするのは不可というのもわかりますが、典型的な基本設定はホンダ車でもパイオニアのカーナビでも変わらないわけですから、せめて取り説には記載してほしいですよね。すみません、最後はグチになりました。